不倫は大罪なのか?
まずこのドラマのあらすじをご紹介しますと、パート主婦の紗和(上戸彩)が偶然裕福な「プロ昼顔妻」の利佳子(吉瀬美智子)と出会い、この女が意味不明にもやたら紗和を不倫へ引きこもうとするのですが、そんな時にまたもや偶然出会った高校の生物教師の北野先生(斎藤工)にほのかな好意を抱いて虫の話なんかしてるうちに本当に先生との恋が始まってしまったのが妻の乃里子(伊藤歩)にバレてニ人は逃避行、お互い離婚して恋を貫こうとするも乃里子に襲撃され、それを機にニ人は別れました、という話です。プロ昼顔妻のほうも、夫の仕事相手である貧乏画家の加藤(北村一輝)に火遊びを仕掛けているうちに本気になってしまい、子供を捨てて加藤の元へ走るも夫に兵糧攻めにされて家庭に戻るというしょぼいラインが引かれています。
このドラマの人気の牽引役となったのは紗和と北野先生の不器用でまっすぐな恋。彼らの愛を壊すのは、北野先生の年上女房である乃里子でこれが、強烈に傲慢で暴力的。最後には弁護士を立てて「今後一度でも夫と会ったら死ぬまで月30万円の慰謝料を請求」なんて無謀な条件を紗和につきつけ、夫と紗和を別れさせることに成功するという、ね。これ観てたら絶対「乃里子死ね」と思うわけです。こんなトンデモリクエストに簡単に屈する北野先生と紗和にも違和感を感じるし、そのまま最後まで別れたっきりで終わりというのも、視聴者としてどこに気持ちの落としどころを探せばいいのか。ドラマの間じゅう「不倫はとんでもない罪」「必ず罰が当たる」という紗和のモノローグが繰り返されて、乃里子のめちゃくちゃな行動が「罰」として正当化されるのは、視聴者にはあまり納得がいかない話です。
果たして紗和と北野先生の恋は、無条件でお金も信用もなにもかも奪われるほどの大罪だったのでしょうか?