第21回『昼顔 −平日午後3時の恋人たち 』

今年度最高の「ボサメガネ」の登場

最後に『昼顔』のプリンス、北野先生役の斉藤工について。いやー素晴らしかった!今年度最高のインテリ長身ボサ眼鏡でした。『あまちゃん』世の潜在的ボサ眼鏡ヲタを覚醒させたミズタクの系譜が、この『昼顔』で完全にジャンルとして確立されたと思います。一切の色気を封印したという冴えないルックスから出てくる柔らかな身のこなしと気品のある声。声!!第一声で気を失いそうになりました。若干ぶっきらぼうでどんくさくて、でも目の前にあることにはいつも一生懸命。いい年なのにムシキングで、何かというと虫のいい話で落とす。雨に濡れた後頭部と紗和の手をこっそり握る指、そして事務的な手紙に添えられた「ツクツクボウシの声は、僕には”おいしいツクツク”に聞こえます」の一言、この外堀から埋められていく感には真剣に悶絶しました。184センチという長身は、160センチ程度の上戸彩と並ぶと優しい妖怪のようでした。斎藤工、恐ろしい才能です。

本当に紗和と北野先生の恋にはうっとりしましたけど、もう一回見るかと言われたら。サッドエンドのドラマはなあ……かわいそうな北野先生を救えるのは私だけだとか、いらん妄想に駆られてしまう。吉瀬美智子はきれいだけど大根だったなーちょっといい気分。と思っていられるぐらいで止めておこうと思います。

※おまけ

冒頭にも書きましたが、『昼顔-平日午後3時の恋人たち-』いまのところ全編こちらで見られます。コード進行が最高にカッコいい『Never again』のサビに乗せて、夕日をバックにママチャリで爆走する紗和のタイトルバックと、ボサメガネ先生だけでも確認してください。

松下祥子@猫手舎
ほぼWEB専業コピーライター兼ライター。大手検索サイトでのWEBマガジン立ち上げを経て独立、ポータルサイトでのコミックレビューコンテンツをはじめ、WEBサービスのブランディングや広告にこまごまと参加。執筆の得意分野は映画、ドラマ、本、旅行、オカルト、犬、昼寝などなど。