練習せずにベストスコアを出す方法

そもそも、なぜ90が切れないのか

どうして、たったのあと1打、2打が及ばないのか。というところを落ち着いて検証してみたところ、ああ、100を切れなかったときと同じ過ちを犯しているなあ、ということに今さらながら気づいたのがひとつ。100を切りたいと願っていた頃は、ダボペースでのラウンドが普通にできるようになったころ。つまり、100~108くらいのあたりをうろうろしながら、100を切りたい、切りたいなあ、と思いつつもうまくいかなかった。そう、当時の目標値はあくまで「100」であり、あわよくばそれを切れればいいな、という魂胆だったわけです。

思い返せば「ダボペースだとするとハーフが54。ここから5打縮まれば50が切れる」、と漠然と頭に描きながらプレーをしていたわけですが、そもそもこれがダメだったと思うのです。ダボペースとはいえ時々はパーもあり、ボギーもあり、その中に7だの8だの9だのの大叩きが混ざるから50を切れないという状態。たまの大叩きをなくせるほどの安定性はないのだから、ダボの中に「ビッグイニング」が入ってくるとそれだけでもう大崩れになってしまう。

ならば目標設定をボギーペースに引き上げたうえで、大叩きが来ても受容できる設定にしなければ100は切れないのではないか、と遅まきながら悟ったのが、100切り達成のきっかけになりました。つまり、90を目指したうえでミスが混ざり、結果的に100に近い所まで下がっていく。100を「切る」のではなく、100を「打たない」という発想の転換があってはじめて、100を下回るようになれたことを今さらながら思い出したのです。

いま90が切れないのは、これと同じこと。つまり、90台で回れるようになっても、いつまでも目標設定が90のままだった。これでは切れないよなあ、と。

だとすれば、目標を変更する必要があります。これまでのボギーペースではなく、パーを取れそうなところはパーをしっかりと狙う、ということを考えるようになりました。この「目標変更」が、要素としてはうまく働いたのでしょう。

さらにもうひとつ。雑誌の企画でゴルフコース攻略を作るようになったこと。プロとラウンドしてみると、彼らが素晴らしいショットの連続で好スコアを叩き出すのではなく、くだらないミスを重ねながらもしっかりとスコアを作っていく様子がよくわかります。わかっていることではあるけれど、ゴルフはミスを積み重ねていくスポーツ。たまの会心の当たりより、当たり損ねを繰り返しつつ、その状況を許容し、耐えながらチャンスを待つ。

そんなことはわかりきっていたことのようであり、でも実際にはまったくできていなかった。その気づきを、改めて自分のプレーで実践してみたというわけです。

やったことといえば、この2つのみ。相変わらず練習もレッスンもしていない。つまり、技術的な要素の改善は何もなく、ただ目標設定とラウンド時の心構えを変えただけ。それでぐっとスコアが伸びるのだからゴルフってやっぱりおもしろいなあと思います。

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クラブユーフォ!管理人・野田道貴
上海ゴルフポータルサイト『クラブユーフォ!』管理人。並行してゴルフ雑誌『BeRIGHT』も発刊中。練習嫌い、レッスン嫌いの万年アベレージ。