第34回『怪奇大家族』

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『呪怨』の清水崇プレゼンツ!ホラー版『サザエさん』登場

「お魚くわえたドラ猫 おっかけて 裸足でかけてく」って人んちに忍び込んでお魚盗むくらいその猫は追いつめられてるんだろうから魚くらいくれてやれよ。とサザエさんをたしなめたい気持ちを抑えつつ、『呪怨』の清水崇が今から11年前に「ホラー版サザエさん」を制作していたというお話をご紹介したいんですが、ホラーの場合やっぱりドラ猫は瞬時に惨殺されたりするのかしら、なんて妄想を膨らませつつ、今週のドラマニアはテレ東の知られざる名作『怪奇大家族』(2004年/全13回)です!

 

やっぱりテレ東はカルトドラマの泉

現在世の中では忘れ去られているも同然のこの作品。秘密裏に進行する高橋一生ブームにおいても、ファンによる過去の出演作品リストから漏れていたりもするくらいです。どんだけ影薄いんだよって感じですがしかし!このドラマ、『呪怨』の清水崇プレゼンツ。2004年といったら清水崇がハリウッドリメイク版の『呪怨』を制作し、日本人監督初の全米興収No.1という輝かしい記録を打ち立てた年。2002年が『呪怨』公開ですから、清水崇が1番乗りに乗っていた時のドラマ作品なわけです。しかもこれが唯一の清水崇メインのシリーズドラマ。ドラマでは唯一の経歴とも言えるのがこの『怪奇大家族』、テーマは「ホラー版サザエさん」、なのです。

この手のドラマは最近でいうと、園子温の名が冠についた『みんな!エスパーだよ!』が記憶に新しいですね。同じくテレ東深夜なんですが、みんな!はギャラクシー賞受賞という輝かしい戦歴を引っさげての映画化。華々しいです。一方残念ながら『怪奇大家族』のほうは清水崇以外の引きはなしで、肝心の清水さんにしてもその後は皆が飽きても呪怨呪怨でもう、ね。ほら、だからこそのカルトなんですよ。

「カルト映画」についてGoogle先生に聞いてみますと、「一部の熱狂的な愛好者たちに支持されるマイナー映画」とあります。怪奇大家族も、現在テレ東のカルト枠を一手に引き受ける「ドラマ24」誕生前の作品ですから、そういう意味でも本物のレア作品です。何の冠もないけど、ファンイベントなども頻繁に行われ、ごく一部分ではあっても熱狂を巻き起こしたらしいし、放送当時のレビューなども「オープニング曲でもう即死」なんて声が多数聞こえてきまして。って今私がこのドラマをご紹介しておりますのも、ひとえに件のオープニング曲にノックアウトされたことが始まりです。この一曲で『怪奇大家族』という奇妙なドラマが何を目指していたのか、一発で分かっちゃうのです。まずそちら見ていただきましょう。下の画像をレッツ・クリック。

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松下祥子@猫手舎
WEB専業コピーライター兼ライター。大手検索サイトでのWEBマガジン立ち上げを経て独立、ポータルサイトでのコミックレビューコンテンツをはじめ、WEBサービスや広告にこまごまと参加。得意分野は映画、ドラマ、本、旅行、オカルト、犬、昼寝などなど。