第24回『推奴ーTHE SLAVE HUNTERー』

これぞ哀しき男の生き様!奴隷狩り屋の慟哭ストーリー

しかしここまでの話だと、いくらアクションがステキだといっても汗臭すぎて1話65分全24話を平均視聴率31.7%で逃げ切れません。ここはやはり美しいヒロインの登場でラブを盛り込みたいところ。この物語の主軸である「テギルが推奴師になった理由」がそこを担います。

実はテギルの元カノはオンニョン(イ・ダヘ)という名の奴婢女子で、若かりし日のテギル君は、両班(貴族階級)の身でありながら自分のうちの奴隷に初恋を捧げちゃった世間知らずのボンボンだったんですね。しかし無理やり彼女と一緒になろうとしたことがきっかけで逆に離れ離れにされてしまった。それで推奴師に身を落としてまでオンニョンをかれこれ10年も探し続けているという。かなり初恋をこじらせてます。

色白の玉子肌だった面影は微塵もなくなったテギルですが、頭のなかは洗濯物ごしにオンニョンといないいないばあをしていた頃の自分と変わらないまま。しかしその頃、ヘウォンと名を変え両班になりすまして生きていたオンニョンは、あろうことか逃亡中のテハと出会ってしまうという……悲劇ですよ。相手は奴婢に落ちたとはいえ国の英雄。気品が違います。ニックネームは朝鮮のダビデ。性格もいいし、テギルより強いし、非の打ち所がない。テハは歴史を相手に戦っているわけですから、初恋で苦しむテギルとはスケールも違いすぎる。こんな男と一人の女を争わなくて済むように、オンニョンの貞節を信じたいところですが、ねえ。テハとオンニョンがまた、胸が痛むくらいお似合いで。

男が真剣に一人の女を愛し抜こうとしたとき、どういう行動を取るのか?その姿がね、実に切ない。国とか歴史とか、関係ないんですね。たったひとつの恋。テギルの人生にはそれしかない。どんなに泣かされてもオンニョンへの愛を捨てないテギルはもう「おまえばっかり損して!バカバカ!!(涙)」と抱きしめてやりたくなるほど切ないのです。垢っぽくてゴロツキで、武闘派の加藤鷹みたいであるにもかかわらず。

そんなテギル君のビフォーアフターがちょっぴり赤面の、微妙な3角関係の様子を主題歌に乗せてどうぞ。

松下祥子@猫手舎
ほぼWEB専業コピーライター兼ライター。大手検索サイトでのWEBマガジン立ち上げを経て独立、ポータルサイトでのコミックレビューコンテンツをはじめ、WEBサービスのブランディングや広告にこまごまと参加。執筆の得意分野は映画、ドラマ、本、旅行、オカルト、犬、昼寝などなど。