第22回『恋するリベラーチェ』

マット・デイモン☓マイケル・ダグラス!超豪華おかまムービー

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毎週毎週ドラマを紹介されても、よほどのダメ人間じゃない限り消化できないでしょうし、こちらも仕事とはいえ毎週1本ペースでド
ラマを見るのはさすがに大人としてどうなのか? プライベートで見なくちゃならないものもあるし。ということで今週は、アメリカの「テレビ映画」というドラマ形態を取り上げてみたいと思います。2013年エミー賞のミニドラマ/テレビ映画部門を総なめにしたゲイ伝記ムービー『恋するリベラーチェ』。さくっと短くいきますよ!

テレビ映画?

この映画はですね、っていきなり映画って言っちゃいますけど、でもこれ一応アメリカではテレビドラマ扱いなんです。118分なんで、『Dr.コトー診療所2014秋』が放送されたら多分このぐらいの放送時間でしょう。つまりアメリカ版2時間ドラマですね。

実は日本では映画として知られている作品でもテレビ映画だったってものが意外とあるんです。すごく有名な作品だと刑事コロンボシリーズとか。新シリーズは今はなき日テレの映画枠金曜ロードショーで放送されてましたけど、日本でいうと家政婦は見た的な位置付けで放送されていたものと思われます。

しかしこの『恋するリベラーチェ』はちょっと趣が違います。間違いなく映画なんですよ、でも公式にはSEX AND THE CITYで一斉を風靡したケーブルテレビ局のHBO持っている「HBOフィルムズ」という制作部門で作られた「単発ドラマ」という扱いになっています。本当は普通の映画になるはずだったんですが、「内容がゲイすぎる」という理由でハリウッドからそっぽを向かれ、結局HBOのテレビ向け映画しかお金を出してくれなかったのでドラマとして作らざるを得なかったのです。なので、ドラマとはいえ監督はセックスと嘘とビデオテープ』『オーシャンズ11のソダーバーグ! アカデミー賞監督です。主演もマッド・デイモンとマイケル・ダグラスという大物中の大物2人! ドラマとして、しかもケーブルテレビのみで放送されて終わったのはアメリカのみで、他国では映画として劇場公開され、なんとカンヌ映画祭の正式出品作品にまでなっています。

ハリウッドよ、ありがとう。もしどこかのプロダクションがこの企画を実現していたら、私は「ドラマレビュー」でこの作品を扱うことはできませんでした。たった2時間で終わるハイクオリティードラマなんて、レビューを書く側からしたら夢のようであります。HBOフィルム制作のテレビ映画には他にも、大物が出演する優良作が山ほどありますんで、ちょっと箸休めが欲しい時に今後もご紹介していこうと思います。

松下祥子@猫手舎
ほぼWEB専業コピーライター兼ライター。大手検索サイトでのWEBマガジン立ち上げを経て独立、ポータルサイトでのコミックレビューコンテンツをはじめ、WEBサービスのブランディングや広告にこまごまと参加。執筆の得意分野は映画、ドラマ、本、旅行、オカルト、犬、昼寝などなど。