第10回『それでも、生きてゆく』

魔性か?純情か?満島ひかりの輝く泥臭さ

日本のドラママニアである外国人の知り合い(アラフォー・男性・彼女なし)もこのドラマを観たらしいんですね。で、海を超えたお茶の間もやっぱり、毎回激しくディプレッシングで、後半になってくると号泣につぐ号泣。見終わる度に「ショーコ、このままじゃ泣きすぎて死んでしまう!」なんてチャットがくるわけです。「姉ちゃんも後ろで泣いてる」と。で、満島ひかりはサイコーだ、なんて可愛いくて演技がうまいんだろうとも毎回言ってたんですが、そのうち「ひかり」じゃなくて「双葉ちゃん」になっていき、最終回は双葉への思いが溢れすぎて嗚咽しながら詩まで書いていました。周りを見てるとピュアな男は軒並み双葉ちゃんファンになってましたから、はっきりいって、双葉いや満島ひかりは大した殺し屋です。

満島ひかりはクオーターらしいはっきりした顔立ちながら垢抜けない雰囲気が特徴で、双葉のような影のある、苦労人の、芯が強い、そして心が温かい役がハマりにハマるんですね。そしてこのドラマでは、満島のもうひとつの特徴である「ブチギレ芸」が、双葉という幸薄い役にやたら奥行きを与えるんです。今回も最終回で見事な蹴りを見せてくれて、私の涙の蛇口まで破壊してくれちゃって、こっちは泣きすぎて息切れしながらも『ひかりちゃん、かわいいん…』なんて、女なのに完全に殺られてしまいましたからね。自分の背中が蹴られたかのように、いつまでもほてってました。恐ろしい女です。

しかし満島の出世作である映画『愛のむきだし』では、純情とは程遠い、あやういエロさと凶暴さ満載の女子高生を熱演。こっちもよかったですね。痩せ過ぎの今と違って、太ももがほどよく太くてね。自分のエロさと不安定さに陶酔しきってるような女子高生の魔性にまたもや女ながら殺られてしまった身としては、どっちのひかりがいいかなんて選べない。まさに聖女と悪女が同居するというのはこういう人を指すのではないでしょうか。それでいて素顔の満島ひかりは、ファンにも気さくに対応する親しみやすい人だというから、なんでしょうね、心に隙間風が吹いちゃってるようなお父さんがうっかり覗き見たら、二度と這い上がれない「ひかりの穴」にはまるかもしれません。よほど気を引き締めてかからないと。

松下祥子@猫手舎
WEB専業コピーライター兼ライター。大手検索サイトでのWEBマガジン立ち上げを経て独立、ポータルサイトでのコミックレビューコンテンツをはじめ、WEBサービスや広告にこまごまと参加。得意分野は映画、ドラマ、本、旅行、オカルト、動物、昼寝などなど。