第32回『デート〜恋とはどんなものかしら』

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『相棒』の古沢良太が仕掛ける月9は社会派ラブコメだった!

ご無沙汰しておりました。完全廃人に戻って充分に引きこもりを楽しんでいた猫手舎です。主婦ニート…ひたすら引き充を目指す。そんな人生もあっていい。と開き直っていたわけですが、いやーそれというのも『デート~恋とはどんなものかしら』がニートに「高等遊民」という誠にポジティブな冠を乗せてくださったからですね、自信を持って大人としての責務を放棄できたわけです。ということで、2015年1月-3月期放送、『相棒』『リーガルハイ』の古沢良太が、伝統のチャラさを誇る月9枠に叩きつけたラブコメ問題作。余すところなくご紹介させていただきます。

 

異色の月9「みたこともない展開」

最初に『デート~恋とはどんなものかしら』というベタなタイトルを見た時、正直私は「興味ないなー」と思いました。いくら長谷川博己と古沢良太のファンといえどもこのどんくささは受け入れがたかった。しかしこれ、この奇妙なドラマの説明としては、誠に的を射たタイトルだと後に感心しました。

東大で数理なんちゃらモデルを研究し、現在国家公務員としてマクロ経済ほにゃららを研究している薮下依子(杏)がいて、これが全く社交性がない機械のような女。でも色々あって30歳までに結婚してみせると決めたんですね。一方「高等遊民」と称して引きニートを決め込んでいる中年童貞の谷口巧(長谷川博己)は、寄生している母のこの先を案じて妻という新たな寄生先を探している。そんな2人が結婚相談所を介して出会い、苦痛極まりないデートや性の相性など様々な障害を乗り越えながら、結婚というゴールへ向けてひた走る、という話です。

依子も巧も今まで異性との交際経験ゼロ。そもそも恋をしたことがないし、したくもない。その状態でどう交際を進めていいか分からないわけです。おまけに依子は機械で巧は2次元しか愛せないので、1番難解な「恋」の部分は排除して契約として結婚しようと極端な結論を出す。で、そんな状態で交際をすすめるために「入念な準備」で頭でっかちにデートを計画する依子と、ガラスのハートなのでいちいち依子に拒絶反応を示す巧が、探り探り結婚へと歩を進めていくわけですが、そこに横槍イケメン鷲尾豊(中島裕翔)「恋してないのに結婚するなんておかしい!」と凡庸なことを言いつつ食い込んでくるのです。

依子と巧は物語を通して様々なデートを繰り返していくわけで、なのでタイトルは「デート」。彼らは恋を知らないので「恋とはどんなものかしら」。なんと説明的なタイトルなんでしょう。

と、ざっくりのはずがあらすじを説明するのにここまでかかるわけですから、月9に久々のラブコメ登場と言いつつ完全に異色であることはお分かりいただけたと思います。初回から杏も長谷川博己も驚くほどイケてなくて、こんなに冴えない月9カップルが存在しただろうかと感動するほどでした。平均視聴率は12.5%。この手のクセのあるドラマとしてはなかなかの数字です。とはいえ第二話でがくっと下がっており、主役カップルのあまりの不気味さに脱落した月9ファンも多かったようです。メガネを外して眉を隠すと長谷川博己って田口トモロヲに似てるんだーなんて、相当私も萎えましたし。

そんなダサい2人が楽しめる第1話はこの辺からのぞき見できます。

松下祥子@猫手舎
ほぼWEB専業コピーライター兼ライター。大手検索サイトでのWEBマガジン立ち上げを経て独立、ポータルサイトでのコミックレビューコンテンツの企画運営を始め、WEBサービスのブランディングや広告にこまごまと参加。執筆の得意分野は映画、ドラマ、本、旅行、オカルト、犬、二度寝。