第31回『北の国から 83′ 冬~ 2002 遺言』

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北海道地場の味

ついにコンプリート!果たして黒板家は負け犬人生を卒業できたのか?

新年感も雲散霧消した今、やっと明けましておめでとうございます。お正月明けぐらいから観はじめた『北の国から』全スペシャルが、やっと観終わりました。去年ご紹介した連続ドラマ部もそうでしたが、いやー、面白かったですよ!アホみたいに長いけど。今週は19年間にわたる8作品全ての『北の国から』スペシャルを、完全ネタバレでご紹介します。

 

スペシャル8作品、あらすじ一挙振り返り

今回のレビューを書くにあたってまずしなくてはならないのは、皆さんに8作品のあらすじをご紹介することです。いつものようにざっと、でも相当長くなりますが、覚悟を決めていってみましょう。(81~82年の連続ドラマ部を見たことのない方は第23回『北の国から』をチェック!)

83’冬

掘っ立て小屋で純(吉岡秀隆)と螢(中嶋朋子)、育児放棄にあった正吉(中澤佳仁)だけで生活していたら、正吉の母(林美智子)が借金を五郎にかぶせて逃げてしまう。助け舟を出してきた伝説の名士はホラ吹きのボケ老人(笠智衆)でぬか喜び。

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保証人
名シーン
雪の原野に豆を撒く松吉爺さん
名台詞
(700万を五郎が被ったことを知った純と正吉にかぶせて)「拝啓、けいこちゃん。何も言えません」

84’夏

火の不始末で丸太小屋が全焼した黒板家。全てを正吉のせいにして言い逃れをする純。罪を被った正吉と喧嘩したまま、正吉がみどりに引き取られ富良野を去る。その晩、ラーメン屋で父に涙の告白をする純。

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ラーメン
名シーン
子供がまだ食ってる途中でしょうが!
名台詞
「子供がまだ食ってる途中でしょうが!」

87’初恋

レイちゃん(横山めぐみ)とずぶ濡れで逃げ込んだ納屋にて、半裸で尾崎について語り合う純。レイちゃんと定時制へ進学しようと、五郎を捨てて東京へ。しかしピン札なのに汚い父からの2万円を見て涙するのだった。

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魔性の女
名シーン
泥つきピン札
名台詞
(雨の納屋でレイちゃんが)「何やってんの早く脱いで♡」

89’帰郷

螢は3浪中のイケメン(緒形直人)と初恋。純は東京で茶髪デビュー、お約束の傷害事件を起こす。富良野へ逃げ帰ろうとするが、父に風呂で寝たふりされて東京へ戻る。

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逆レイプ
名シーン
純、草太(岩城滉一)率いる伝説の番長4人組に組み敷かれて髪を黒く染められる
名台詞
(傷害事件を咎められ、荒れる純に雪子(竹下景子)が)「おばさん分かったから!」

92’巣立ち

螢は帰ってこないし、純は他所様のお嬢さんを妊娠させちゃうし、よし、お父さん助け舟!と思ったら「いらんことしやがって」などと言われて、五郎失意の遭難。それを口実に純は富良野へ逃げ帰ることに。

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石の家
名シーン
純、「南極物語」の健さんに見守られながらの童貞喪失
名台詞
(タマコの叔父の家に向かう道すがら、五郎が純に)「謝っちゃお☆」

95’秘密

富良野に戻った純は、拾い物親子の才能を発揮、「メカの純、建築の五郎」としてならす。元AV女優(宮沢りえ)とは知らず付き合った彼女の作品を友人に回し見され赤っ恥、螢は勤務先の札幌から不倫逃避行。五郎の心配は尽きない。

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混浴露天風呂
名シーン
吹雪のなか、不倫相手の待つ家へと帰っていく螢の背中
名台詞
(ゴミ収集で体臭を気にする純にレイちゃんが)「一言いっといてあげる。コロンつけるのやめなさい。そういうコンプレックス、みっともないわ」

98’時代

結局元AV女優と交際した純だが先方の家族に反対され別離。螢は不倫相手の子を正吉の子と偽ってまんまと結婚する。うっかり事故で草太が死に、純は大人達に騙されて草太の赤字農場を引きつぐことに。

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有機無農薬
名シーン
役者人生最大級の号泣をみせる吉岡秀隆氏
名台詞
(五郎の家の風呂場で女を目撃した草太が)「年増の背中だった!」

2002遺言

農場を倒産させ根室の漁村で腐っていた純は、人妻(内田有紀)と付き合い夫にボコボコにされつつも略奪に成功。すっかりエコカリスマになった五郎は、いつか訪れる死を見越して、純と螢に「おれの生き様を引き継げ」という遺言をしたためる。(完)

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トド
名シーン
荒々しい海辺の露天風呂で荒々しい裸体のトドに凄まれる裸の純
名台詞
特になし

最終回の『遺言』では、連続ドラマ時代に列車で去りゆく母を全力で追いかけて見送った螢が、全力で列車の横を走る父に見送られながら富良野を去るという、誰も思い出せないような布石の回収をしての大団円を迎えました。夏で始まるシーズンが気を抜くとすぐ冬で気を抜くとすぐ吹雪攻めだったり、五郎の外食が大抵ラーメンだったり、純はいつも「そんなことは全然知らなかった」わけだったり、『遺言』の前までは結局は金の話だったり、21年間を一気見したからこその気付きが様々あったのですが、少なくとも『98’時代』の後編までは飽きさせない。間違いなく傑作です。アラフォーニートの方々には、うなるほどある自由時間を利用して是非とも一気見にチャレンジしていただきたい。その価値のあるドラマです。

松下祥子@猫手舎
ほぼWEB専業コピーライター兼ライター。大手検索サイトでのWEBマガジン立ち上げを経て独立、ポータルサイトでのコミックレビューコンテンツの企画運営を始め、WEBサービスのブランディングや広告にこまごまと参加。執筆の得意分野は映画、ドラマ、本、旅行、オカルト、犬、二度寝な