第30回『猫弁―死体の身代金―』

脚本家・大山淳子と猫の秘密

『猫弁』シリーズには、吉岡病にはあまり関係はないけど大きな特徴があと2つあります。ひとつは脚本の大山淳子さん。この方、なんと51歳にして小説家デビューという超遅咲きの作家で、この『猫弁ー死体の身代金ー』が小説家としても脚本家としてもデビュー作といっても過言ではないのです。いやー、人生も半分以上過ぎてから花開くなんて、我々にとっても夢のある話ですね。

『猫弁』の脚本からして「大山淳子さんは猫が好き」というのは鉄板だと思うんですが、そこで気になるのが『猫弁』に絡んだもうひとつの大きな特徴。これは完全に私の憶測の範囲から出ないのですが、「百瀬太郎」という名前です。

猫関連の弁護ばかり引き受けて、事務所に10匹も猫を引き取っているので『猫弁』なんて揶揄をされている設定の百瀬太郎。弁護士は「先生」と呼ばれますよね。私も「百瀬先生」と書いてきました。この百瀬先生という響き、京王線沿線に住んでいる方にはご存知の方もいるかもしれないですが、愛猫家に絶大な信頼を集める「百瀬ねこ病院」というのがあるんです。当然院長は百瀬先生。40代の職人気質の名医です。『猫弁』の百瀬太郎も40歳でしたね。ドラマ中に出てくる、百瀬先生の運命を変えた事件が「世田谷猫屋敷事件」。百瀬ねこ病院は世田谷の病院。これは……何か関係してると言ってもいいんじゃないでしょうか!詳しくは分かりませんでしたが、大山さんがこれだけネコ好きならば、そしてお住いが世田谷区あたりだったりした場合は、百瀬ねこ先生を『猫弁』のモデルにしててもおかしくないなーなんて、観ながら一人興奮してしまいました。

『猫弁』に溢れる猫への愛を通じて、百瀬先生のあふれんばかりの猫への愛を思い出して涙ぐんだりね。それを見事に演じてみせた吉岡秀隆への愛をさらに募らせたりしてね。「秀隆、一体いつになったら再婚するつもりなの?」と本気で心配になったりしてね。クリスマスや大晦日を一人ですごす秀隆を想像して、自分が行かなくちゃ彼がダメになるんじゃないかと先走ったりしてね。

しかしすいません、私は今、吉岡秀隆さんよりも、先週のご紹介した『モテキ』の小野坂オム先生こと浜野謙太率いる「在日ファンク」に夢中なんです。ハマケン、めちゃくちゃかっこいいです!!いやーここまでリズムキレキレのスキャットとステップ見せられると、「ラストソング」(動画どうぞ)なんて歌ってた頃の痛い吉岡さんを思い出して頬が赤くなってしまいます。160センチ以下小太り撫で肩枠で過去最高にかっこいい男、それがハマケンです!そんな彼の超かっこいいPV「爆弾こわい」をご紹介しつつ、メリークリスマス&よいお年を!

おまけ:こちらTBSオンデマンドの公式動画ですけど、見られますよ。ハマケンじゃなくてネコベンをね。

https://www.youtube.com/playlist?list=EL3Do25Jf0gZg4cIa2awW68Q

松下祥子@猫手舎
ほぼWEB専業コピーライター兼ライター。大手検索サイトでのWEBマガジン立ち上げを経て独立、ポータルサイトでのコミックレビューコンテンツをはじめ、WEBサービスのブランディングや広告にこまごまと参加。執筆の得意分野は映画、ドラマ、本、旅行、オカルト、犬、二度寝などなど。