第18回『白い巨塔(韓国版)』

ほんとは好きなんでしょ?

「恨」のセオリーから行くと、韓国には当然日本に憧れる気持ちもあるわけです。それはドラマを見ていると痛感します。日本のドラマに韓国が出てくることは通常ありませんが、韓流ドラマでは必ずといっていいほど日本が出てきます。有名なのは、韓国初のおしゃれドラマと言われた『コーヒープリンス一号店』一番のおしゃれイケメンが日本人という設定で、なぜか日産キューブもおしゃれアイテムとして出てきました。どのドラマにも和食店が登場し、恋に敗れたキャラが旅立つのはパリかアメリカか日本、日本の温泉や沖縄観光シーンもよく見ます。対立関係で揉めているかに見えるあちらの国でこれほど日本が溢れかえっているというのは、光栄なような、めんどくさいような、自虐一本槍の日本人にはなかなか分かりづらい感覚です。

先日ケント・ギルバートさんが「韓国人の真剣な商売」「朴槿恵の告げ口外交」なんて揶揄したあれはちょっと違うと思います。商売じゃないんですよ。韓国はどこかにロックオンしていないとダメな国なのです。その対象として、日本ほど距離が近く気になりやすい対象はないわけです。だから朝日の記事が捏造だったかどうかなんて今さら関係ない。お金よりも多分、世界中から日本が非難されることが重要だと思われます。そのことによって韓国の「苦しみ」と「正義」が証明されることが。なのでこれからも従軍慰安婦外交は続いていくし、各地に慰安婦像が増えていくし、一方でなぜだか国内にはこれからも日本が増え続けていくのでしょう。とりあえず朝日は国有化して二度と無駄口を叩けないようにすべきです。

そんなこんなで、もうお腹いっぱい食べられないというぐらい『白い巨塔』づけの4日間を送りまして、韓国版のラストに辿り着いたのは4日目の朝3時ですよ。財前がどんどん弱っていって悲しいし、こちらの睡魔との戦いも限界だし、もう最後の気力を振り絞ってラストの

「癌専門医でありながら、手術不能にまで進行した癌で死ぬことを、心より恥じる」

を聞くために頑張ったというのに、ない!!!一番かっこいいとこ、スルー!!!……原作を踏襲して解剖のシーンをラストに持ってきたのは素晴らしいし、十分面白いドラマでしたよ。でもね、「心より恥じる」で終わらないとドラマ版『白い巨塔』だとは認められないので、今さらですがNo.1は名実ともに『ゴールデンタイム』ということで、終了。

松下祥子@猫手舎
ほぼWEB専業コピーライター兼ライター。大手検索サイトでのWEBマガジン立ち上げを経て独立、ポータルサイトでのコミックレビューコンテンツをはじめ、WEBサービスのブランディングや広告にこまごまと参加。執筆の得意分野は映画、ドラマ、本、旅行、オカルト、犬、昼寝などなど。