最近流行の「お約束やぶり」ドラマ
と、このドラマの外見ばかり話していても仕方ないので、そろそろ内容に入りたいと思います。あらすじを例によって一文で紹介すると、400年前に地球に置いてけぼりになった宇宙人(キム・スヒョン)が2013年になっていよいよ「3ヶ月後に星に帰れるぞ」となったところに昔愛した少女にそっくりな生意気女優(チョン・ジヒョン)と最悪の出会いをしてしまい、家も隣になり、そしたら当然好きになっちゃって、でも帰らなくちゃいけないし、という話。安心安定の分かりやすさです。
出生の秘密も記憶喪失もない最近流行の「お約束やぶり」ドラマなのが注目点、いや「お約束やぶりなのに成功した」ところが注目点というべきか。恋愛ドラマはお約束を破ると失敗することが多いのです。恋愛が成就する道筋なんてそもそも似たようなものですからね。なので大抵は恋愛ものでお約束を破ると何だか締まりがない話になってしまうのですが、このドラマは最後まで人気の手綱を離さなかったのがすごいところです。
とはいえなんというか、正直、鑑賞しながらつい携帯をいじっちゃうというか、なんでこのドラマがそんなに流行りまくってるのかなーなんて、思わなくもなかったというか、というのもジヒョンちゃんが、コメディー演技はほんとに素晴らしかったんですが、「ちゃん」というにはドスの効いた声で、元々高身長で骨格もしっかりしてるところに最近流行中の赤い口紅つけたりしてて、なんかアキコ・ワダみたい。そこに小顔で少年みたいなスヒョン君が絡んでくると、おばちゃんが少年を食ってるようにしか見えない。胸キュンどころか「スヒョン君、にげてーッ」みたいになるし、肝心のスヒョン君もなんかパッとしない。
ストーリーはうまくまとまっていたとは思うし、後半かわいそうになってくる部分も抑制が効いてて好感が持て、ラストの始末もとてもスマートでよかったのですが。やっぱり肝心のスヒョン君が、どうも。なんか、見た目がメガネを外したのび太みたいで……どう動いても全然めくれない鉄の前髪が気になって気になって、ストーリーどころじゃなかったのです。