第12回『星から来たあなた』

「異様な人気」だけどやっぱり無名俳優

そしてさらに注目すべきは主演の宇宙人、キム・スヒョン君26歳。「怪物」です。見た目はぼさっとしてるんですよ。でも子役で出演した『ジャイアント』(2010)が40%超の視聴率を獲得して以降、初の主演クラスである『ドリームハイ』(2011)では気づけば並居る人気アイドルを押しのけて主役へ、続く『太陽を抱く月』(2012)では初主演で視聴率46%。そして主演2作目がアジア全土で大ブームの『星から来たあなた』です。映画では初出演が先ほど紹介した『10人の泥棒たち』。ここでチョン・ジヒョンと初共演してちょいエロなキスシーンなんかも披露して、二作目の初主演作『隠密に偉大に』(2013)歴代動員数20位。これは偉業です。20代俳優の初主演作で歴代20位なんて破格のヒットです。その上彼はたった3本の主演クラスドラマでMBSドラマ大賞で最優秀演技賞(新人賞じゃないですよ)、百想芸術大賞でも最優秀演技賞(新人賞じゃないですよ)を獲得してます。どっちも実力派中年俳優でも手がとどかないようなすごいタイトルです。一流俳優を押しのけての彼の受賞が少なからず物議をかもしたほどの異常事態でした。

…と屁がでるくらい力みつつ主演2人のすごさについて語りましたが、そんな2人が共演したラブストーリーですから各国で大注目なのです。日本でこの2人がほぼ無名なのは、アジア標準だと信じがたいことです。各国でとっくに公開が終わっているスヒョン君の『隠密に偉大に』だって、日本じゃ公開すらされてません。これは別に韓流映画に限ったことではなく、日本人が世界で一番iPhone好きなのだって結局は力のあるスマホがほかに韓国製しかないからで、つまり韓国が嫌いだから排除してしまう。でも海外に出るといかに韓国製品やコンテンツの勢いがすごいか、日本製品の影が薄いか痛感するんです。

これだけ政治的に衝突していれば仕方ない部分もあるのでしょうが、にしても韓国が世界の土俵で戦えていて、我々日本がどんどん遅れをとっているのは事実であり、この現状は韓国の勢いを国内から排除する状態が続く限り、一般市民が肌身に感じることはないのかもしれません。自国の危機的状況を客観的に知るためにも、ドラマで今一度韓国の勢いを体感してみるべきではないでしょうかね。

松下祥子@猫手舎
WEB専業コピーライター兼ライター。大手検索サイトでのWEBマガジン立ち上げを経て独立、ポータルサイトでのコミックレビューコンテンツをはじめ、WEBサービスや広告にこまごまと参加。得意分野は映画、ドラマ、本、旅行、オカルト、動物、昼寝などなど。