オオサンショウウオを食べた話(序章)

オオサンショウウオと聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?

先日、京都の鴨川で、オオサンショウウオを発見したという写真付きのツイートが話題になりました。そのあまりの大きさと見た目の愛くるしさからか、そのツイートは大量拡散されて、生きたオオサンショウウオが鴨川べりをのそのそ歩く姿の動画とともにネットメディアで盛り上がりを見せました。

オオサンショウウオは、国の特別天然記念物に指定されている、大変稀少な動物です。環境省のレッドリストでは絶滅危惧種に分類されており、日本固有の在来種は保護の対象になっています。

今回のこのニュースを見ながら、管理人はなんともいえない奇妙な感慨にひたっていました。「ああ、この間このオオサンショウウオを食べたんだよなあ、と」。

もちろん、捕獲が禁じられている天然記念物を、こっそり捕まえて食べたのではありません。闇の違法行為に手を染めたわけではなく、調理が認められているものを合法的にいただくことができたのです。

そして結論から言うと、オオサンショウウオは大変おいしかった。その味にはまったくクセがなく、あの見た目からは想像もできないほど、澄み切った味がしました。匂いも臭みもまったくなく、オオサンショウウオはなんとも上品な味わいでした。できることならば、また味わってみたいと、いまでも強く思っています。

残念ながらオオサンショウウオは、日本では一般には食べることができません。ここ中国だから、食べることができたのです。これは後で知ったことですが、中国では、食用の養殖が許可されており、一部のレストランでは確かにメニューに載っています。とはいえ、和食の店でオオサンショウウオを出している店は、管理人の知る限り上海にはありません。オオサンショウウオを食べるということを想像したこともなかったし、大抵の日本人はそんなことを考えもしないでしょう。

ところがある日、とある料理店の店主から、こんな相談の電話が舞い込んできました。

「オオサンショウウオを料理にしたいと思うが、いきなりメニューに載せても理解されないと思う。なにかいい方法はないだろうか?」

電話を受けたときは、とにかく混乱しました。オオサンショウウオが天然記念物であることくらいは知っており、当然食べてはいけない食材だろうという連想は働きます。ところがそれを料理してメニューに載せるのだという。

その瞬間、よくない想像が頭をよぎりました。本来この国には入ってこないはずの食材を楽しめる日本人経営の店をいくつも知っています。もしやそういった類いの話で相談を持ちかけられたのならば、やっかいなことになったな、と。しかし、一瞬は疑いはしたものの、その店主はそういうことに手を染める方ではないことをよく知っている。ならば何か事情があるはずだと思い、まずは話を伺うことにしました。

翌日、彼から聞いた話は、非常に興味深いものでした。次回より「管理人日記特別編」として、オオサンショウウオを食べた話をアップしていきます。

クラブユーフォ!管理人・野田道貴
上海ゴルフポータルサイト『クラブユーフォ!』管理人。並行してゴルフ雑誌『BeRIGHT』も発刊中。練習嫌い、レッスン嫌いの万年アベレージ。