だまされたくない欲求の妥当さとちっぽけさって
見事に上段からばっさり。本物かフィクションかで常に転がされ続けた私に対するお言葉ですか?と、ラブコメだったら好きになっちゃう場面ですね。こ、こいつ、今まで会った女とは全然ちがうぜ的なね。いや友人は男性なんですが、気分的には私が道明寺で彼がつくしです。
で、つくしが続けるには
「ちっぽけさと言ったのは、ドキュメントだフィクションだなんて、山田孝之のノーガードぶりを見ても、それを言えますか?ということです」
他にもつくしの斜めすぎる名言は色々あったんですが難しいんで割愛。で、ノーガードね。まさに言い得て妙です。山田孝之のノーガード。この物語を言い表すのに、今のところこの言葉以上のものが見つからないのです。
これが演技だとしたらむき出しもむき出し、精神のバランスを崩すぐらいじゃなきゃここまではできないし、本物だとしたらよくぞここまで痛いの隠さず出せたなと。下手すりゃタダの笑いものですからね。つまり彼のノーガードは動かしようのない本物で、それを観てきた我々は、この物語をそのまま飲み込むほかない。
とかいいつつ私は今でも、いやーあのエンディングからしても、これは大筋があってあとはアドリブ任せにしたからこの緊張感が出せたんじゃないの?最初の『己斬り』って映画も架空の映画だっていうし。なんて斜に構えてみたりして、でもまた最終回を見ると「孝之、よかったね!!」とか言って涙ぐんだりして。いまだそんな、妥当さとちっぽけさの間を行ったり来たりしております。
別に宣伝するわけじゃないんですが、このドラマのセルDVD&ブルーレイでだけにある特典映像やコメンタリーを聞くと、またかなり見方が変わるらしいんですが、買いません。そこまで乗せられませんよ私は、今のところは。
全然話は変わりますが、『己斬り』は偽物みたいですが『斬』という時代小説は買いです。日本の歴史上ただ一人存在した死刑執行専門職「首切り浅右衛門」の話です。こちらは不安な要素は何もなし、ストレートに面白い。血生臭さがパネエですよ!