ゾンビより人が怖いなんて
ところでこの『ウォーキング・デッド』の特徴は、信じがたいことに「ゾンビより人が怖い」ことだそうで、こっちが生きてるのにがぶがぶ食べてくるゾンビより怖い人って一体どういうことだと。そんなのありえない!のですが観てみると、文明社会が終わっちゃって生き残った人々は散り散りの小さなグループに分かれてしまうんです。そこで「みんなで生き残ろう」じゃなくて「俺達のグループだけ生き残ろう」と考える世界になっちゃったと。で、人が人を襲い、もはや誰も信用できない。秩序をなくした人間がどれだけ凶暴になれるかという、この話はそういうテーマのようなんです。それはそれで面白かったです。一番のお気に入りは第2シーズンで、これは確かに人間模様の展開がすごかった。第4シーズンも新たな恐怖要素が入ってなかなかよかったです。
しかし、ゾンビより人が怖いというのはいかがなものでしょうか?最近そういうのよく聞きますね。怪談でも「幽霊より人が怖い」とか。でもそんなの夢がないですよ。ホラーというのは一種のファンタジーなんです。特に架空の「怖いもの」がいる世界って、ギスギスした人間関係のしがらみのなかで生きていかなくてはならない我々にとって一服の清涼剤のようなものだと思いませんか?
終わってしまった世界において、どんどん不利になっていく状況下、主人公たちにどんな悲劇が振りかかるのか、確かに興味があります。ゾンビより怖そうです。でも!私は制作者にお願いしたい。どうか人より怖いゾンビを復活させてください。あのバタリアンを凌ぐ作品を!(私は観ませんけど)
※『バタリアン』は激怖映画だけど、『ゾンビランド』ならかろうじてコメディーと言ってもいいです。
※今更ながら『ウォーキング・デッド』内ではゾンビは「ウォーカー」と呼ばれています。改めてウォーカーを確認したい方はコチラ(てか正直ここに本編第一話のリンクを貼ってしまえたらよかったんですけどね)。