第11回『ウォーキング・デッド』

どうしてこんなに怖くできるの?

しかしまあアメリカのドラマの「絵が立派」なこと!SFとか特撮とか、映画みたいなドラマが作れるのは一体何故なんでしょう?どこからそのお金が出てくるんでしょうか?

『ウォーキング・デッド』の第1話もものすごく良く出来ていました。特殊メイクもステキだったし、盛り上げ方とか細かなところまで全く手を抜いてなくて、完成度が他の国のドラマと全く違う。これは、アメリカのドラマの第1話が「パイロット版」と呼ばれるものだからです。

こちらのページにいい解説がありました。内容をさくっと紹介すると、プロデューサーが企画を持ってお金を出してくれる会社を探し、それを元出に作ったパイロット版で他のところにも作品の売り込みをかけるそうなんです。時には複数のテレビ局や国外のテレビ局が資金を出し合って全体の制作費を出すこともあるとか。ほんとに映画みたいですね。

要はまずパイロット版がすごくなければ何も始まらないので、どのドラマも第1話が1番派手というわけなんです。『ウォーキング・デッド』のも、怖すぎて胃もたれしましたけど、『28日後』へのオマージュもありましたけど、それでも素晴らしい演出だと思いました。

先ほどリンクで紹介したページの記事によると、驚くのはパイロット版の制作費の高さ。あの飛行機が落ちてきたりする『LOST』の第1話はなんと、たった1本に10億円!それに比べれば高カロリーと私が騒いだ『MOZU』の制作費なんて鼻くそ程度でしょう。とはいえ『ウォーキング・デッド』のようなケーブルテレビ局制作ドラマはぐっと低予算傾向だそうで、かわりに演出でクオリティーを上げて、批評家にプッシュしてもらうことで視聴率を稼ぐとのこと。中には200ドルで作ったパイロット版が長期シリーズ化した番組もあるとか!幅がありすぎるという点でも頭がクラクラします。

クオリティー勝負のパイロット版『ウォーキング・デッド』をチラ見したい方はコチラから(しかし重ねて忠告しますが、かっこいい予告編ですけどそんなに怖くはない上にこれ観たら本編の怖さは半減しますからね)。

松下祥子@猫手舎
WEB専業コピーライター兼ライター。大手検索サイトでのWEBマガジン立ち上げを経て独立、ポータルサイトでのコミックレビューコンテンツをはじめ、WEBサービスや広告にこまごまと参加。得意分野は映画、ドラマ、本、旅行、オカルト、動物、昼寝などなど。