進むコースの高級化
日本人には厳しい環境
そんな中国ゴルフも、外国人優位だった時代は一瞬にして過去のものとなり、ここ数年ですっかり形勢が逆転してしまいました。長らく、ゴルフのような高価な遊びは、経済的に優位な我々外国人のためのものでした。ところがいまや、上海エリアでは純日系のコースは一つを除いて姿を消し、ほとんどが大陸系または台湾系に取って代わられ、同時に日本人のプレー環境も年々厳しいものになりつつあります。多くのコースがメンバーシップを強化し、会員以外のプレーを閉め出す方向に舵を切り出したのです。そしてその会員権を持つのは、ほとんどが中国人です。
その一例となっているのが、HSBCチャンピオンズの開催コースである「佘山国際ゴルフクラブ」です。ビッグトーナメントを誘致することで一気に名を上げ、同時に会員権価格も跳ね上がった同コースは、現在では買いたくても買えないコースとして国内有数のポジションを築きました。敷地内の別荘には億単位の値段がつき、高い物は10億円以上だとも言われています。
それでもほんの数年前まではビジターでもプレーをさせてもらえましたが、いまでは完全にメンバーオンリーの「超名門」となってしまいました。そして「佘山」に続けとばかりに、ビジターを受け入れないことで高級コースとしての地位を築こうとするコースが続々と噌えてきました。
また、そこまで厳しくビジターを排除しないコースでも、プレー費の引き上げは毎年行われています。そうでなくとも、物価高騰が続く市場環境に加え、このところの急激な円安です。ほんの数年前までは、土日にプレーしても1万円、というのがざっくりとした日本人的な感覚だったのですが、いまでは2万円近い出費を強いられます。こうなってくると、日本人が気軽にゴルフをできる時代は、そう長くは続かないのかもしれません。
では、台頭する中国人ゴルファーというのは、いったいどういう人たちなのか。次回以降、この連載で触れていきたいと思います。
(つづく)