ゴルフツーリズムへの道①上海

IAGTO

今回の出張の目的のひとつである、IAGTOについての説明会に参加してきました。

IAGTOとは、International Association of Golf Tour Operators、つまり、ゴルフツアーオペレーターのための国際的な協力機構です。要するに海外へのゴルフツアーを促進しましょうね、という団体。で、ここのピーター会長(英)が来日され、関係者を集めてその趣旨説明会(&懇親会)あるというので顔を出してきたわけです。

日本のゴルフ業界では、あんまり明るい話題は聞かれません。自分もこの世界に首を突っ込んで1年とちょっとが経ちますが、まあろくな話は耳に入ってこない。縮小し続ける国内市場において、どうやって食いつないでいくかというところの危機感はあるものの、じゃあ具体的にどうすんのよという話はそれほど立ち上がってこないわけです。つまり、危機だ危機だと言うわりに、根本的な打開策が見えてこない。となると、このままほんとにしぼんでいくんじゃないか?とさえ思えてしまいます。

そんな中で、これからの可能性があるとすれば、インバウンドでしょう。そもそもなぜゴルフ業界に足を踏み入れたのかといえば、これまでやってきたインバウンドとの親和性があると思ったからです。日本にはありすぎるほどのゴルフ場があって、それも結構高いレベルで品質が保たれている。そして国内での利用者は減り続けている。
じゃあそこに海外からプレイヤーを呼ぼうじゃないか。ゴルフ場は潤うし、プレイヤーは気持ちよくゴルフができるのでお互いハッピー。ごくごくおおざっぱにいうとそういうことですね。

中国にいて、ゴルフ関連の仕事をしているからには、中国人ゴルファーに日本に来てもらうことを促進したい。そのための仕組みを構築し、流れを作り出すこと。それが、われわれの掲げる大きな目標です。

きちんとした調査データが存在しないので、中国人ゴルファーの実数というのは正確にはいまだにはっきりしません。まあ、一説には100万人程度だとはいわれています。仮に100万人として、国内のゴルフ場の数は700程度。しかもその分布には、この広い国土の中でかなりの偏りがある。今後コースが急激に増えるということはありえないので、ここ数年で激増しているゴルフ人口からすれば、早々にパンクすることは想像に難くありません。

じゃあ、あぶれ出たゴルファーは、いったいどこでプレーするの? という課題を解決せねばならず、必然的に海外に目が向けられる。そのときには、ぜひ日本に来てもらおうね、ということです。

もちろんそう簡単なことじゃなくて、普通に考えればタイあたりのゴルフリゾートに目が向けられるはず。そうではなく、どうやったら日本に引っぱってこれるのか?ということに真剣に取り組んでいかなくちゃいけないよね、というのが訪日誘致の課題であり、これはまあゴルフに限らずあらゆるインバウンドに共通するテーマです。

こういった取り組みに個々の努力が欠かせないのはもちろん、より大きな枠組での協力体制が必須なわけで、ゴルフツーリズムについて日本でも今回のような動きが進みつつあるというのは単純にいいことだと思います。

ゴルフインバウンドに対して、受け入れ体制が進まないことにはいくら「日本でゴルフがしたい」という声を中国で拾えてもきちんとした送客ができないわけで、われわれとしてはそのマッチングができるよう、現地での正しい情報収集/伝達をやっていく。

彼らがプレーしたいとうゴルフ場と、外国人を受け入れてもいいというゴルフ場がしっかりかみ合うことが理想です。これはなかなか難しい問題だけれど、ここに向けての取り組みをしっかりと進めていこうと思うばかりです。

(続きます)