喫煙天国・中国におけるゴルフとタバコの関係
タバコをやめて、丸7年ほどになります。
吸い始めたのはちゃんと二十歳を越えてからだったので、喫煙者だった期間はちょうど10年ほどだったと思います。
ひどいときは、フィルターなしのタバコを毎日50〜60本くらい吸っていたこともあったので、けっこうヘビーな喫煙者だった時期もありますが、まあ平均すると1日あたり1〜2箱くらいのペースだったでしょうか。
とにかく残業が多かったので、夜中に寝ないようにタバコが必要だったのと、毎晩のように飲んでいたので酒のお供にもタバコは欠かせないものでした。でも、ちょうど30歳のときに、思い立ってきっぱりとやめました。やめた理由は、フットサルをしていて吐いたから。たった数分の運動で胸が苦しくなって激しく嘔吐したときに、ああ、これはやめよう、となったわけです。
幸いなことに、禁煙はさほど苦もなく成功しました。喫煙者のくせに嫌煙家でもあったというか、要するに元々タバコは嫌いだったので、むしろやめるべくしてやめたという部分もあります。第一タバコの匂いがイヤだったし、人の副流煙が流れてくるのが許せないというかなり勝手なタバコ吞みだったと我ながら自覚しています。
かくして、わりとスムーズに自分が禁煙に成功したので、世の中の人がタバコがやめられないというのは正直あまりよくわからないところがあります。日本ではもはやタバコを吸う環境が限られてしまっているので、そんなに迫害されるくらいならやめてしまえばいいのに、といつも思います。
ところ変わって中国では、喫煙文化がいまだに盛ん。
ビジネスの席でも、タバコをすすめあったりするのは日常の姿です。上海の都市部などでは急激に分煙化が進んだりはしているものの、日本に比べれば喫煙者にとっては天国でしょう。日本人の喫煙者比率も、日本国内に比べて相当に高いはずです。
まあ、人がタバコを吸おうが吸うまいが、個人の嗜好性の問題なのでとやかくいうことではありません。しかし、公共の場所での喫煙ということになると、マナーのお話になってきます。
特に、ゴルフ場。
自分が喫煙者だったころは、ゴルフコースの緑の中での一服は最高の幸せでした。きれいな空気を胸一杯に吸い込んだうえで、煙を肺に入れてはき出す。健康なんだか不健康なんだかわからないところですが、自然の中で吸うタバコの美味しさは、だからよく知っているつもりです。
でも、やっぱりあまり褒められたものではないと思います。
ゴルフ場でのマナーとしては、喫煙はティグラウンドで、となっているのが一般的でしょうか。これ、たとえば、前の組が詰まっていて待ち時間があるときに、ティグラウンド付近の隅っこで邪魔にならないように吸うのであれば特に問題はないと思います。むしろ、周囲に気を配りながらゴルフ場でスマートに喫煙している姿を見ると、ああ、この人は格好いいなあとさえ感じることもあります。
しかしながら、プレーがスムーズに流れているときにせわしなくタバコに火を付け、自分の打順になったら火のついたタバコをキャディさんに持たせ、打ち終わったらまたひと吸いふた吸いして火を消して、セカンド地点に向かう。そんな姿を見ていると、ああ、なんだか見苦しいなあと残念な気持ちになります。
喫煙者を敵に回すかもしれませんが、ゴルフコースでの喫煙マナーについてはもう少しスモーカーの配慮を促していく必要があるように思います。特に、これから中国でますますゴルフが普及していく過程で、喫煙マナーの問題はけっこう深刻について回る気がしているのです。ゴルフは本来、人に迷惑をかけない/不快な思いをさせないことが
前提に成り立っている大人の遊びです。嫌煙の流れに沿うのは、ゴルフ場であっても当然のことだと思うのです。
もっとも、中国人でも本当のエグゼクティブはそのあたりのマナーも世界基準でしっかりしているので、あまり心配はないのかもしれませんが、「ゴルフ先進国」である日本人のゴルファーが、規範となるような姿を見せていくことは、この国のゴルフにとって悪いことではないはずです。
こんなことを書きながら、実はいまでもときどき無性にタバコが吸いたくなることがあって、それがたとえば今です。ああ、タバコ吸いてえなあ、と思ったときは、喫煙にまつわる見苦しい光景を思い浮かべてやり過ごすことにしているのでこういうエントリーになった次第。
それでも、正直に白状すると、年に3本くらいはいまでも吸っています。吸ったところで習慣にはならないのですが。ごく稀に、締切前とか、衝動的に。