サービスレベル向上
ほんの数年前までは日本人ゴルファーの短期会員も多く、上海の在留邦人にとって比較的メジャーな存在だった「濱海」。その後経営権が移り、日本人ゲストがずいぶんと減ったように思う。実は筆者も、長い間このコースから足が遠のいていたのだが、今回久しぶりに訪れてみて、コース整備の面でもサービスの質においても、確実にレベルが上がっている、そんな感想をまず持った。
元々、表情のまったく異なる「レイク」「フォレスト」の2つのコースを併設する36ホールズのキャパシティに、シャトルバスを運行していたこともあり、一定の人気を保っていたコースではあった。浦東空港のさらに向こうという、若干距離を感じさせる立地ではあるものの、日本人にとって馴染み深いコースだったのだ。それが今では、日本人の来客は1割程度だという。確かにちょっと遠いけれど、もう少し、日本人に利用されてもいいはずだ。そう思って、今回改めて取材を申し入れた。
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海沿いのリンクス風情、風を味方につけよ
コースから海は見えないが、立地は東シナ海沿い。海から吹き付ける風はかなり手強い。濱海といえば「風」というくらい、ここでは強い風にもてあそばれることになることは覚悟しておいた方がいい。その風を敵とみなすか、味方にするか。折角の、本場のリンクス風情のコース、どうせなら風と戯れるラウンドを楽しんだ方が得だ。風と遊ぶことができるなら、濱海は一気に面白いコースに早変わりする。
ぜひ一度「レイクコース」指定でプレーしてみてほしい。人の背丈ほどもあるものをはじめ、123ものポットバンカーが待ち受けるコースに風が舞う状況で、それをどう読み、攻め、あるいは守るのか。なかなか一筋縄ではいかないコースだけれど、コンディションが荒れるほど、このコース「らしさ」が味わえるのかもしれないとも思う。