第15回上海大学対抗、プレーを終えて

先週から始まった、上海における日本人ゴルフ最大のイベントである「JAL杯・全国大学対抗ゴルフ」。約550名が参加するマンモスコンペは、その人数ゆえに到底1日では収まらず、今年は3日間に分けての開催です。管理人は本日早朝スタートで、ラウンドをしてきました。

振り返ってみれば、この大会に出場するようになって早8年。2007年の第8回大会が、管理人にとってのデビュー戦でしたが、当時の記録を調べてみると参加26校・270名。それが今回は40校が参戦し、人数は倍以上になっているのですからこの大会の成長ぶりが伺えるというものです。8年を経て、管理人のゴルフの腕前が共に成長しているかどうかはともかく(ほぼしていない)、こうして異国の地で日本人同士がゴルフを通じて盛り上がるというのも、海外暮らしならではの楽しみのひとつです。

上海で数多開催されるコンペにおいて、やはりこの大会は別格というか、個人的には強い思い入れがあります。2008年2009年と2度経験した「全国優勝」は、同窓の仲間たちと共に喜びを分かち合えた貴重なひとときでしたし、なによりいい歳したおっさん連中(しかも大きな会社のわりと偉い人たちだったりもする)が、学生気分に戻って真剣に戦うという、この大人げなさがなんともいえず、いいのです。遊びではあるものの、母校の名誉が懸かっているがゆえの張りつめた空気。そう、適度な緊張感が、この大人の遊びの魅力なのだと思います。

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6月7日午前スタート組の我がチームメンバー

とまあ、母校のために戦う緊張感を毎年楽しみにしている大学対抗コンペですが、今年は個人的に、いつもとは違うストレスを背負った大会です。会場であるシルポートゴルフクラブの攻略法なるものを、雑誌の企画でやったのはいいものの、その帰結として「当然おまえはちゃんと攻略できるんだろうな」という不要なプレシャーを浴びせられることになったからです。

攻略法を作った張本人なのだから、攻略できて当然だと思われることは当たり前に予測できたことではあるものの、うかつにもそれを忘れておりました。ただスコアを崩すだけならば、舌を出して笑っていればよかったものが、今年はいつもとは勝手が違う。攻略法とやらを世に出しておいてまさか自分が攻略されるようなことがあろうものならば、大会一のさらし者にさえなりかねないという、逃げ場のない窮地に勝手に潜り込んでしまっていることを、プレー日が近づくにつれ考えないわけにはいかなくなりました。

だったらきっちりと結果を残せるように練習しろよ、っていう話ですが、元々練習はしないタイプなのでいまさらしたところでどうなるもんでもなし。となるとここは「出場しない」というのがいちばん妥当な選択なのではあるまいか、と真剣に考えました。ましたが、やはり遊びから逃げるのはどう考えても好ましくない。ということで、できることはただひとつ、自分が作った攻略法に忠実にプレーする、ということだけに専念し、あとは野となれ山となれと。

さて、ではその合格ラインをどこに置くか。

万年アベレージである自分のレベルとしては、グロス90というのがひとつの目標設定ラインです。100を打ってしまうと気まずいけれど、90台を出しておけばチームメイトからは及第点をもらえるだろう、というのが我がチーム内での自分に対する評価だと思っています。ならば、この攻略法を作ったことで80台でも出ようものならば、仲間から拍手喝采賞賛の声を浴びられるのではないか、と(練習もしないくせに)考えは飛躍し、なんとかして80台を出すゲームプランを(会場への移動の車中で泥縄式に)考えて今日の本番に臨みました。

その「あわよくばヒーロー」プランとは、こういうものでした。

①すべてのホールをきっちりボギーで収めることに集中する
②その過程で、前後半各1ホールずつはダボを許そうじゃないか
③一方で、うっかりパーが拾えることが、前後半各2ホールはあるだろう

このゲームプランならば「88」になる計算です。さすがに、コースの攻め方だけは頭に入っている。まあ、その通りに打てる技術があればとっくにもっと上のレベルに到達しているわけで、それができないから永遠に90台を行ったり来たりの万年アベレージなんじゃないか、という前提はさておき、もしかすると今回はいけるんじゃないか、と(練習もしないくせに)そろばんを都合よく弾いていました。

さあ、前置きはここまで。
で、結局の所どうだったんだよ、という話だとは思うので、本日の成績を晒しておきます。

東コース⇒3パー、5ボギー
中コース⇒2パー、5ボギー

なんと、ゲームプラン通りどころか、パーの数では想定を上回っているじゃないか。
ボギーを重ねる中で、前後半2つずつパーを拾う。これはクリアできたどころか、貯金まで作れたわけです。

あとは、残り3ホール。全部ダボならば目論見通りの「88」。仮に1つトリがあっても「89」。90は切れる。

さすが野田ちゃん、やるときはやるね。
という声が耳元をかすめたのもつかの間。

東4番/トリプルボギー(東コースグロス「44」)
中2番/ダブルボギー、9番/ダブルパー(中コースグロス「48」)
合計「92」

残念ながら、甘えを許したホールでは想定以上のエラーが発生し……。貯金を使い果たすどころかマイナスに転落、終わってみればいつもとさして変わりのないスコアでした、と。

まあ、収穫があったとすれば、いつもならば「今日はこれくらいで回りたいなあ」というごくゆるい目標設定しかしない中、今回は明確にラインを決めてプレーをしたおかげで、大叩きがあってもそこからガラガラと崩れることもなく。なんだ、毎回こうやってやればいいのか、という気づきがあったようなないような。

ということで、昨年は箸にも棒にも引っかからないネットスコアでチームに貢献することができませんでしたが、今年は叩いたホールがちゃっかりはまっているといいなあ。

さあ明日夕方、大人たちが本気で一喜一憂する大表彰式です。まあ、勝っても負けても、こんなに盛り上がるコンペに参加できるだけで、充分楽しいのですけれど、どうせなら勝って終わりたいものです。

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管理人・野田道貴
上海ゴルフポータルサイト『クラブユーフォ!』管理人。並行してゴルフ雑誌『BeRIGHT』も発刊中。練習嫌い、レッスン嫌いの万年アベレージ。