第29回『モテキ』

『モテキ』一番のハマり役は誰か?

さて、ドラマ版『モテキ』では、原作のイメージに忠実な役者が多くいた一方で、原作とは全く違う設定の俳優もけっこう出てました。そんななかで、誰が一番ハマり役だったかな?なんて、個人的に評価してみました。

まずは主役・森山未來。芸達者ですね。あんまり得意な役者さんではなかったのですが、『モテキ』の幸世に関してはダメっぷりがほんとに魅力的でした。けどね、やっぱりそうはいっても生粋のダンサー、舞台役者ですから。体のしなやかさ、締まり具合がどうしたって表に出てしまう。キスシーンなんて、ほぼ童貞男とは思えないテクニックでしたよ。一日5回はキスしてないとああいう風にはいかないでしょう。ダンサーですからね。現在ではもうコンテンポラリーアートの域にまで達してしまっている彼のダンスに興味のある方は12月17日放送のNHK-BSプレミアム『踊る阿呆』をマストチェック。

原作から大きくイメージが変更されたのは、いつかちゃんのバージンを奪ったエロオヤジ「墨さん」。演じるはリリー・フランキーでした。原作ではなぜか幸世にそっくりなおじさんという設定なのですが、リリーさん、いやらしいコボちゃん顔が艶めかしかった!!なのにカラオケではPerfumeのポリリズムを完コピしてたり、サザエさんを朗々と歌い上げてたりして、原作の墨さんの100倍くらいよかったです。

しかしそんなリリーさんが霞むくらいにドンピシャでハマりまくってたのが、社会性ゼロの売れっ子漫画家・オム先生を演じた浜野謙太!!もう、絶対この人実生活でもコミュ障だわと確信するほどだったのに、この方売れっ子タレント&ミュージシャンなんですってね、不勉強なので存じ上げませんでした。代表作として閲覧させていただいたのはこの動画「街の美人はずるい」。

なんかキビキビ踊ってるし。歌もノリノリだし。全然、全くこんな人が演じてるなんて想像もできませんでした!!

ということで、ハマり役コンテストはオム先生ことハマケンさんが圧勝です。『モテキ』キャラのなかで一番真剣に生きてる人なのもよかったです。

長々とあれこれ書きましたが、『モテキ』の素晴らしさをご自分で確かめてみたい方、今ならこの辺から見られます。

あー、私のモラトリアムはいつ終わるのかなー。

松下祥子@猫手舎
ほぼWEB専業コピーライター兼ライター。大手検索サイトでのWEBマガジン立ち上げを経て独立、ポータルサイトでのコミックレビューコンテンツをはじめ、WEBサービスのブランディングや広告にこまごまと参加。執筆の得意分野は映画、ドラマ、本、旅行、オカルト、犬、二度寝などなど。