第25回『最高の離婚』

瑛太式ダサ男の作り方

瑛太演じるこのドラマの主役・濱崎光生は、まあとにかく努力が空回りというか、報われない人生をこんなに真面目に生き抜く男はいないんじゃないかと思うくらい懸命に生きてるんですが、このドラマは毎回、光生の思惑が華麗に裏切られるところで話が終わるんです。期待しては裏切られ、期待しなくても裏切られ。その惨状が、1話ごとに鋭さを増していく。光生が素で「死ねばいいのにって思ってました」と言われるシーンは、さすが坂元裕二、大人げない!主役をいじめ抜く才能にはもう脱帽ですよ。大人が死ねとか言ったら恥ずかしいとか、そんな常識は無視。惚れ惚れします。

もうね、光生は第6話までボッコボコです。目も当てられない。しまいには「僕、死ねばいいのかな」とか、いじめに遭ってる中学生みたいなこと言い出すし。絶対子供には観せちゃいけないドラマです。光生役の瑛太もほんとにいじめられっ子みたいなダサ男子そのものに見え、瑛太のダサくなる才能にも感嘆を禁じ得ませんでした。同じクールで主演した『まほろ駅前番外地』では普通にイケメンなんで、何故か坂元裕二のドラマでだけはダサい。カメレオン俳優と言ってもいいレベルで。せいぜい「よく見たらきれいな顔してるような気もしなくもない」感じで、しかしでんぱ組.incのライブでキモヲタに変貌していく姿(はい動画)なんかナチュラルすぎて、最終回での完全変貌型なんかもう、これがあのイケメンおしゃれ瑛太なのかと、全く信じられないレベルのイケてなさ。それが動きと表情からだけ作られるというのが、天賦なんだなあと。いや、本当はダサいほうが素なのかもしれない。

私はこのドラマの瑛太さんから、どういう要素が男をダサくするのかを教えていただきました。

・多弁
・早口
・声が大きい
・大げさ
・高笑い
・理屈っぽい
・落ち着きがない
・家事上手
・運動できない

9つのうち4つ以上当てはまる男性がいたら、ごめんなさい、ダサいです。きっとあなたは報われない恋愛人生を送ってきたことでしょう。ちなみに私は8つも当てはまってます。男じゃなくてヨカッター。

そんな痛々しい光生の人生をマンガ盛りにしてくる本編とは打って変わって、突如主演4人が妖しく(怪しく?)踊り出すエンドロール画面が、ギャップ萌えっていうんですか?光生の片鱗も見えないくらい普通にイケメンでして、そんなエンドロール画面はある意味本編以上に話題になりました。『昼顔ー平日午後3時の恋人たちー』のやたら毒々しいエンド動画(これ)も話題になりましたが、何倍もセンスがいいです。毎回ストーリーらしきものが展開していくし。ちょっと気分が落ち気味の日は、これを見ると元気になりますよ。

松下祥子@猫手舎
ほぼWEB専業コピーライター兼ライター。大手検索サイトでのWEBマガジン立ち上げを経て独立、ポータルサイトでのコミックレビューコンテンツをはじめ、WEBサービスのブランディングや広告にこまごまと参加。執筆の得意分野は映画、ドラマ、本、旅行、オカルト、犬、昼寝などなど。