極めて異色な「低身長の主役」
このドラマ最大の魅力は主役のリュ・ドックァン。現在27才で芸歴20年という若きベテランですが、長いこと映画での助演がメインで売れているとは言いがたい状態でした。というのも、彼の身長は公称167センチ。これは低身長俳優に優しい日本でも低い方です。ましてや180センチが合格ライン、175センチでも低身長といわれる韓国俳優のなかでは相当役を狭めてしまいます。女優の合格ラインも168センチですから、恋愛過多な韓国ドラマでは、女優よりも小さい俳優というのはなかなか厳しいのが現実でしょう。
しかし幸いにして、彼には類まれな「存在感」がありました。映画初主演の「ヨコヅナ・マドンナ」では、性転換手術を受けるためにシルム(韓国相撲)の大会に挑むぽっちゃり乙女系高校生という極めて奇妙な役を爽やかに演じ、新人賞を総なめにしました。こんな変な役、27キロの増量や抜群の演技力だけではこなせませんよ。彼は美男子じゃないくせにやたら透明感があるのです。高校生なのに聖母マリアみたいに見える作品すらある。この個性のおかげで「映画監督に愛される俳優」という位置を維持し続けられたのです。
むき身の卵みたいにつるんとした、小柄な男の子。日本に生まれていたらお稚児さん好みの某氏に早くから拾われて、トップスターになれそうな数人と抱合せでアイドルデビュー、演技力と透明感を買われて気づけば日本軍兵士役でハリウッドへ、なんて成功があったかもしれない。茄子顔の二宮なんたら君や、なんだかよく分からない大野君、なんだかよく分からない上に薄毛の草なぎ君が「演技派」でいられるなら、リュ・ドックァン君は大スターですよ。最近は爆笑問題の田中に似てきたけど、ジャニーズは年を取ると総じて微妙になるから問題なし。身長だってこの3人と変わらないし。彼は日本に生まれなかった不幸を恨むべきです。
実は、草なぎ剛はチョナン・カンとして前述の『ヨコヅナ・マドンナ』に出演してるんですね。その時に、リュ・ドックァン君が入れ替わってジャニーズに加入すればよかったのに。そうすれば今頃私もジャニーズファンで、日本のドラマを今よりずっと楽しめていただろうになあ。(別にジャニーズに恨みはないんですよ。がんばれ大野君、がんばれジャニーズ!)
追記:最近の海外ドラマは第一話が無料で見られるものが増えてます。幸いにして『神のクイズ』も発見しましたので、興味のある方はレッツトライ。(日本国外からの方は要VPN)
シーズン1
https://www.youtube.com/watch?v=vJ9MtJ0LtWU
シーズン2
https://www.youtube.com/watch?v=bkJ9xhjHg7o
シーズン3
https://www.youtube.com/watch?v=_sS3F4BQQyc