素っ気ないアップルストアの
接客こそ最大の「サービス」
iPhone騒動に話を戻すと、都内にはアップルストアが3店舗あります。今回、銀座と表参道の店舗を訪れましたが、客層が全く違いました。報道でも見かけたように、銀座のストアは確かに中国語圏からの客が列をなしていました。ところが同じ日に表参道の店を覗いてみると、極めて落ち着いているのです。外国人客も散見するものの、旅行者というよりかは居留者に見えました。都内在住者にとっては、表参道は都心のショッピングエリアですが、外国人旅行者からすると、まだまだ銀座のようなメジャーな場所ではないのです。だからこそ、一歩先を行く旅行者は、銀座のような場所を敬遠し、より日本人に近い行動を取るようにもなります。例えば中央線沿線や下町エリアが少しずつ注目されているのは、そういったトレンドリーダーたちの行動によるものでしょう。
ところでアップルストアで気になったのは、免税対応のスムーズさです。いや、その素っ気ない客捌きとでも言いましょうか、非常に事務的に書類の整備をするその様子を見ていると、よく言われる日本のおもてなし、などとは遠くかけ離れた対応に、ある意味感心してしまったのです。列を成すiPhone購入者は、さっさと手続きを終わらせたいのです。何より旅行者にとって大切なのは「時間」であり、この時点では丁寧な接客よりもスムーズな手続きこそが最高のサービスです。これはiPhoneという、並んでも買いたい最強のコンテンツだからこそ成り立つ対応なのかもしれません。しかし、このアップルストアの対応には学ぶべきところが多いと思うのです。
免税対応のスムーズさは
外国人を満足させる鍵?
筆者のような海外居留者は、日本での買い物に免税対応を受けることができます。家電量販店などではよくお世話になりますが、毎回困るのがその対応の遅さなのです。外国語でチラシや広告を打ち、免税対応の宣伝をまき散らしている割に、肝心の手続きに店頭スタッフが慣れておらず、いったい書類1枚用意するのに何分かかるのだ? と首を傾げたくなることがあります。
免税カウンターは一般的に通常売場とは別の場所にあったりするので、その一角ではうんざりした顔の外国人が行列する光景をしばしば目にします。日本の家電量販店の店員の商品知識や接客には素晴らしいものがありますが、免税手続き対応が遅いと不満を漏らす外国人は少なくありません。丁寧な接客もいいですが、旅行者にとってはスムーズな買い物こそが何より貴重だということも認識すべきです。ゴルフ用品店であっても、もちろん同じことです。