カジュアルなゴルフなら
ドレスコードも関係なし?
なぜゴルフには、服装についてのいろいろな規定があるのでしょうか。
模範解答を用意するならば、ゴルフは紳士の国・イギリス発祥のスポーツであり、紳士であるメンバー同士が気持ちよくプレーし交流するために、それにふさわしいドレスコードが用いられている、といったところでしょうか。
そもそも「ゴルフクラブ」とは、パブリックコースを除けばメンバーのためのものであり、外部の人間を受け入れるものではないので、その限りにおいてはメンバー同士の取り決めの中で、服装に限らずあらゆるルールを制定しておけばいいわけです。それを守れない者は、メンバー規定に反するとして、排除されるだけの話なのですから。
ところがいまや時代は変わり、厳格なメンバーシップを運営しているクラブは少なくなりました。上海でも、外国人である我々も数々のメンバーコースでビジターとしてプレーを楽しんでいますね。
さて、そこで服装の問題です。上海ではごく一部を除き、それほど服装の規定に厳しいコースはないといって差し支えないでしょう。我々日本人も、比較的ラフなスタイルで出かけていき、ゴルフを楽しんでいます。少なくとも、日本に比べればカジュアルなゴルフであることは疑うところがないと思います。それがいいかどうか、という話は議論が尽きないところですが、改めてゴルフにふさわしい服装とは何か?ということを考えてみることは、決して無駄ではないと思うのです(ちなみに、中国にはパブリックのコースはなく、すべてメンバーシップコースです)。
正しいゴルフウェアとは?
ゴルフに限らず、あらゆるスポーツにおいてそれに「ふさわしい」服装というものが存在します。たとえば野球場にサッカーのユニフォームを着てくれば、それは場違いだということになるでしょう。テニスコートにスキーウェアで現れる人はいません。極端な話かもしれませんが、それはひとつの「暗黙のルール」、つまり常識であるといえます。
ところがゴルフにおいて線引きが難しいのは、ゴルフ専用のウェアでなくともゴルフに転用ができてしまうところにあります。つまり、何がゴルフウェアなのか、というところの定義が曖昧だからこそ、「OK」と「NG」の境界線がぼやけてしまうのです。その結果、着ている本人としてはファッションのつもりでも、ある人から見れば「あいつの服装はなっていない」となる可能性を秘めています。
でも、逆に考えれば、ゴルフほど服装がシンプルに規定されているスポーツはないともいえます。以下、世間一般で言われるところの「ゴルフウェアのドレスコード」です。
プレー中 |
・襟付きのシャツを着用する。Tシャツなど襟のないものはNG ・シャツの裾はパンツの中に入れる。 裾を出して着るような丈の短いものはできる限り控える。 ・ジーンズはNG |
クラブハウスなど | ・帽子は必ず脱ぐ ・ジャケット着用が望ましい |
どうでしょうか? たったこれだけなのです(もっと細かいことを言えばキリがないですが、簡略化すればこれだけでOKでしょう)。襟付きのシャツを着る。ジーンズは控える。シャツはパンツの中に入れる。非常に簡単だと思いませんか?
逆に、これすら守れないというのでは、ゴルファーとしての姿勢を問われてしまってもおかしくないと言えるかもしれません。冠婚葬祭に、Tシャツとジーンズで出かける人はいないでしょう。そこで「これはファッションだ」と主張したところで、誰にも相手をしてもらえません。ゴルフウェアだって同じこと。TPOをわきまえるのが大人のファッションならば、最低限のルールを守り、その枠の中で精一杯楽しむ。それさえ気をつければいいのだから、ゴルフの服装なんて、簡単だと思いませんか?
その場にふさわしい格好でいるかどうか。たとえカジュアルであっても、ルール無視のスタイルはいただけないと心しておきたいところです。