諸悪の根源はもう1軒のせいなのか
ゴルフ雑誌を作るようになって、極端に人づきあいが悪化しました。
まったく新しい会社を立ち上げて、まったく新しい事業を興す。人手にゆとりがあるわけではないので、必然的に一人あたりの作業量は多くなります。会社を経営する者としては人件費をやたらとかけるわけにはいかないので、やれることは自分でやろう、というマインドになります。それは自然の成り行きなのですが、人に頼めないから自分でやるというのは本来自分でやるべきではないかもしれない作業を抱えてしまうがために、本当に注力すべき主要な業務を圧迫するという危険性と背中合わせです。
まあ、業務効率の最適バランスについてはここでは述べません。四の五の言っていられるようなステージではうちの会社はまだないので、どうにかこうにかやりくりをして、必死で働くのみです。
それはそうと、仕事の時間が長引いて、おろそかになるのが人づきあい。極端に日本人同士の距離が近い上海では、夜ごといろいろな会食/飲み会が設定されいろいろな方面からお声がけをいただきます。時間があれば行きたいけれど、ちょっと締切を抱えていて無理だなあ、とか、お付き合い上顔を出した方がいいのだろうけれど、このタイミングはきつい、とか、まあいろいろな理由でお断りをすることが最近ではほとんどです。
そうこうしているうちに「あいつは呼んでもどうせ来ない」というポジショニングができあがると、声がかかる回数もずいぶんと少なくなります。
昼に名刺交換した人と、その日の夜に居酒屋で鉢合わせてしまうようなことがさほど珍しくない上海のような場所だと、人間関係が必然的に濃くなりがち。もちろん、そのおかげでビジネスがスムーズに運ぶことも多いのだけれど、一方でむやみやたらと誰かと誰かをつなごうとする世話焼き好きな人が奔走して、「あなたにぜひ紹介したい人がいるから」という口説き文句で会合が設定されたものの会ってみたところでどうにもこうにもなんだかなあ、ということも少なくありません。そうなると、なんだかムダなつきあいに巻き込まれちゃったな、となる。
むやみやたらなお付き合いの輪から距離を置き、本当に会いたい人と本当に会いたいときに会う。それがうまくできれば理想なのかもしれません。けれど、そんなにうまくはいかなくて、事業に没頭した結果人付き合いを削っていたようで、人付き合いを削ったせいで仕事がなめらかに進まない部分もあるんじゃないか、ということを最近は考えてるようになりました。
仕事上は取引ができるような相手ではなかったとしても、雑談をしている中で気づかされるヒントもあるし、直接の利害関係がないからこそ新鮮な目線からの意見を拾えるようなこともある。なにより、何かを考え抜くあまり煮詰まってしまったら、思考停止状態になる前にいったんオフにして違う空気にふれた方が気分転換になったりするので、頭の中を浄化するためにも適度なタイミングで誰かと会うという行為は大切なのかもしれません。
人と会うことでしか得られないものというのは確かにあって、人づきあいを削った分だけその機会を失っているかもしれないことを考えると、無理矢理にでも多少は時間を作って外に出ることも必要かもしれないな、と。
なので今年は、できるだけ外の人と接点を持つ機会を戻そうと心に留めています。夜は会社に籠もって延々と残業するのではなく、できるだけ誰かと食事をしようと。もう1軒行こうよと言われれば、気持ちよくおつきあいしようと。
そして、もう1軒行った結果のひどい二日酔い状態でこれを書いているのがいまです。こうなってくると、飲んだときの自己管理という命題に必ず行き当たります。つまり、適量を飲み、適度な時間で切り上げて家に帰る。翌日には引きずらない。ああそうか、それがうまくできないから人づきあいをする/しないの極端な二択になるわけだと今さらながら気がついた次第。
とりあえずウコンだけは切らさないように。うちの本でも広告をいただいている北九州は小倉の「ヤマノ」さん、マカが主力製品ですがこちらのウコンは大層効きます。
あ、ステマみたいになった。そろそろ家に帰ります。本日は休肝日。たぶん。