謹賀新年2013

あれから23年

新しい年がはじまりました。

毎年大晦日は、誰かの家かどこかの店で、紅白を観て過ごすのが上海に来てからの恒例になっています。日本で暮らしているころは、紅白なんて何が面白いんだろうと思っていました。ところがいまは、どうしてもこれを見ないと年越しの気分になりません。海外暮らしの郷愁なのか、はたまた自分が年を取ったからなのか、なにはともあれ紅白っていいなあといまではしみじみと思います。

美輪明宏のヨイトマケの唄がネット上では話題のようですが、個人的には<プリンセス・プリンセス(平均年齢47歳)>のテロップ表記にいちばん胸を熱くした次第です。

昨日歌っていた「ダイヤモンド」は自分が中学2年生の時のヒット曲なので、あれから23年が経っているわけですね。中2の自分に、おまえは30を過ぎたら上海に移住していて、いろんな紆余曲折の果てにゴルフの仕事をしているんだぞと教えてあげたらどんなに驚くことでしょうか。人生なんてこの先どうなるか本当にわかんないよなあと思いながら、獺祭の純米酒でしんみり酔っ払った2012年の大晦日でした。

そんなこんなで、上海で迎える、7回目のお正月です。

どうなるかわからないながらも、ああしたい、こうしたいというのはたくさんあって、それと同じくらい避けたいことや嫌いなことがあって、それらに対してどうやって向き合っていくかというのが生きていくということなのだと思います。

何はどうあれ「向き合う」ということが肝なのであって、「やる」だとか「やらない」だとか、あるいは「やり過ごす」だとか、いったん向き合ってどうするかを、ひとつひとつを決めていく。そういうことを着実に積み重ねていった結果としての「よかった」とか「いまいちだった」とか「失敗した」とかがあって。

新しい年に際して、目標のようなものを立てるのが昔から苦手でした。それは今でも変わらずに不得手である気がします。きっとたぶん、わざわざ額縁に入れて掲げた筆書きの立派な目標よりも、自分の意思とは無関係に唐突に現れてくるたくさんのできごとをどうやってさばいていくかということの方に強い関心があるからなのかもしれません。

だから、今年はどうする、ということはやっぱり今年もいいません。ただ、この1年が終わるとき、総じて「いい1年だったなあ」といえるように丁寧に生活していこうと思います。

たかだかカレンダーの区切りの都合で「今年1年どうのこうの」っていうのもなんだかなあと思いつつ、でも新しい年のはじまりって、やっぱりなんだかいいものですよね。

2013年が、みなさんにとって、そしてもちろん自分にとって、よい1年でありますように。

上海にて。元旦