おいしいメロンの作り方

正しく待つということ

事業スピードというものは、もちろん早い方がいいに決まっています。

何か新しいことを始めたら、即断即決で物事をぐいぐいとドライブさせクイックにアクションを起こしていく。成果を得るまでの時間は短ければ短いほど、そこからすぐに糧を得られるし、次の新しいことにだって目を向けられる。

とはいえ、なにもないところから始めたことが、そんなにすぐに成果に結びつくというようなことは、なかなかちょっと、ない。

どんなにすいすいと進んでいるように見える事業でも、いわゆるタネをまいて水やりをする時期というのは必ずあって、やがて迎える、その刈り取りの日に向けて「いっぱい実ってくれるといいなあ」と願うことはあっても「どうせなら明日できないかなあ」と望むのは、ちょっと違う。春にタネをまいたら秋に実るべきものは、秋まで待たなくちゃいけない。「もうできたかな?」なんて土を掘り返したりするもんじゃない。

スピードを意識しながらも、軌道修正が必要かなあと思ったときは、畑にまいたタネのことを思い浮かべるようにしています。しかるべき畑にしかるべきタネをまき、毎日の水やりを怠らずきちんと肥料をあげられているかどうか。もし、やるべきことをやれているのなら「正しくじっと待つ」ということも、速さを求めるのと同じくらい大切なことのはず。

今日植えたメロンのタネで、明日の実を期待していないか。(なぜメロンなのかというのは単純にいま食べたいから)

どんなメロンが成るのか、想像しながらの「待ちの時間」だって、事業をやる楽しみのひとつなんじゃないかなあ、と思うんですよね。その想像力がないと、すぐに土を掘り返すようなマネをしてしまう。

メロンが食べたければ、さっさとタネを植えること。だけど、すぐに食べたいからといって土を掘ったってメロンの実が埋まっているわけじゃない。

っていう話が今日の打ち合わせの趣旨だったんですが、メロンメロンいっちゃったんで通じてないような気がして心配だというお話です。