スロープレーはなぜNG?
ゴルファー同士の会話で「どれくらいで回るのですか?」と聞くと「4時間半くらいかな」という答えが返ってくることがあります。もちろんこちらは「スコア」を尋ねているわけで、それに対して「所要時間」で答えるジョークなのですが、あながちゴルフの本質をついていないこともありません。
ゴルフとは、ルールよりもまずエチケットを重視するスポーツであることは前回触れました。コースでは正しいマナーで振る舞うことが、ゴルファーには前提として求められているのです。
同伴競技者はもちろん、前後の組、はたまた当日来場している他のすべてのプレーヤーにまで気を配り、不快な思いをさせないようにするのがゴルファーの礼儀なのは言うまでもありません。
では、具体的に、我々は何に気をつけるべきなのでしょうか。バンカーの砂ならしやボールマークの修理、ディボット跡への目土など、ゴルフには数々の「気配り」がありますが、なかでも最も気をつけるべきなのは「スロープレーをしない」ということでしょう。各ホールを順番に回っていくというプレーの性質上、流れを滞らせないというのは誰もが守るべきマナーです。
そんなことを言っても、人それぞれのリズムがあり、誰もが気持ちよくラウンドをする権利があるのだ、という人もいるかもしれません。それならば、高速道路を時速30kmで走っているクルマを想像してみてください。それがどれだけ後続に迷惑をかけているかを考えればおわかりでしょう。渋滞の原因を作るのは、運転するうえでの重大なエチケット違反。淀みなくプレーを進めることで、同伴競技者はもちろん他のプレーヤーも気分よく回ることができるのです。
では、スロープレーをしないための具体策を見ていきましょう。
ティグラウンド ・素振りはティグラウンドに上がる前に充分にやっておくこと ・打ち終わったら速やかにカートに乗り出発することフェアウェイ ・キャディから必ず2〜3本クラブを受 け取ってボール地点に行くこと ・ルーティンはきっちりすべし。でも移 動は早めに、だらだら歩かない グリーン その他・全般 |
あなたのリズム、大丈夫ですか?
もっとも、スロープレーの1番の問題点は、自分が遅いという自覚をなかなか持てないことかもしれません。人は誰もが、自分に気持ちのよいリズムでプレーしているだけだと思いがちです。でも、そのリズムが通常より遅いがために、他のプレーヤーに迷惑をかけているとしたらどうでしょう? エチケットの観点からすれば、まずはそこを一度考えてみるべきでしょう。
基準は、ハーフで2時間15分以内。1つのショットにかける時間は45秒以内が望ましいとされています。その45秒は、自分にとっては短く、他人のものは長く感じてしまうもの。テンポよくラウンドするために、1打1打に要する時間を短くし、組全体の流れをスムーズにすることを意識してみましょう。
あなたのゆったりとしたプレーが、同伴競技者をイライラさせているかもしれません。そののんびりとしたリズムのために後ろが詰まり、日没でホールアウトできない組が出るかもしれません。そこまでを考えてプレーすることが、ゴルファーには本質的に求められているのだということは、頭に入れておきたいところですね。