第33回『ザ・オフィス』

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スティーブ・カレルの知られざる名作!薄笑いが止まらないカルトコメディー

皆さんの職場ってどんな感じですかね?キビキビした上司がいて、皆が電話2個持ちしながらキーボードに向かってる感じですか?私は二度しかオフィスというところで働いたことがないのですが、一度は隣の太った平社員が一切仕事をしていなくて、二度目はほとんどの社員の机の上に大量のおもちゃが並んでいるようなところでした。今回ご紹介する『ザ・オフィス』(2005~2013)は、地方都市のしょぼくれたとある会社の営業部が舞台。さてどんなしょぼくれ具合なのでしょうか?電話2個持ちでご紹介します!

 

イギリスの超人気ドラマをリメイクしたらアメリカでも超人気に

この『ザ・オフィス』というドラマ、日本ではあまり知られていませんが、イギリスやアメリカなら誰でも知っている名作です。だそうです。そう聞きました。2001-2年放送のイギリス版は3年連続で英国アカデミー賞を受賞。イギリスのドラマながらアメリカのゴールデングローブ賞も初受賞しました。その後アメリカでのリメイク版は、2005年から2013年、シーズン9まで放送される長寿番組となり、エミー賞コメディー部門作品賞のほか、主役のスティーブ・カレルがゴールデングローブ賞を受賞するなど高い人気と評価を得ました。皆さんが知らないドラマだと受賞歴という「箔」を並べ立てて「どうだすごいだろう」と言わざるを得ないのが、そうでもしないと自分自身も信じられないところが辛いところですが、ドラマとしてはもっと気楽で小ぶりの、テレ東のドラマ24的な雰囲気です。

舞台はまことにマイナーな地方都市にある、紙の卸売企業ダンダー・ミフリン社スクラトンオフィス。営業部には、口を開けばセクハラに人種差別、寒いギャグが駄々漏れになる面倒くさい支社長マイケル・スコット(スティーブ・カレル)がいて、しかし何故だか「皆に愛される最高の上司」を自認しています。紙を売るなんていかにも退屈そうな仕事に空回りギャグで社内を凍らせる支社長のいるオフィスですから、働く社員たちも萎えきっています。マイケルの右腕を自称する不思議男のドワイト(レイン・ウィルソン)、そのドワイトに奇妙ないたずらを仕掛けることを生きがいとするジム(ジョン・クラシンスキー)、マイケルをこよなく嫌悪している受付嬢のパム(ジェナ・フィッシャー)、その他個性豊かなダレキャラひしめくゆるーいオフィス内のダウナーな日常を、ドキュメンタリーとして撮影した30分ドラマ。なんて言ってもね。ちっとも面白さが伝わらないところがこのドラマの悲しいところで。

地味でマニアなドラマなので、観てハマれば爆笑だけど、ハマらなければスルーして終わってしまう。やっぱりテレ東のドラマ24みたいな感じ、なのですが、けっこう知的層に受けそうな、このドラマを面白いと思える自分って割とイケてるかも系のかっこよさがあるんです。本家がイギリスですから。イギリスの笑いといえばモンティ・パイソン。モンティ・パイソンといえば、オックスフォード&ケンブリッジのハイブリッドコメディ集団ですよ。頭よさげでしょ?カルトでマニアな感じするでしょ?US版『ザ・オフィス』は、モンティ・パイソンだけでなく『サタデー・ナイト・ライブ』まで醸し出す、かなり毒のある内容なんです。イケてる感じでしょ?

松下祥子@猫手舎