VOL.9 巨大な中国人海外旅行市場に、訪日ゴルフ誘致で参戦を

※当連載は、一季出版が発行するゴルフ業界誌『月刊ゴルフマネジメント』へ、当サイト管理人の野田道貴が寄稿したものを転載しています

伸び続ける中国人の海外旅行
年間2億人が海外へ行く時代

経済成長の停滞が懸念される中国ですが、まだまだ伸び盛りの業界もあります。そのひとつが旅行です。2013年には、海外旅行者数および海外旅行中の消費額の両部門において、中国は一躍世界のトップに躍り出ました。その勢いは止まらず、「中国海外旅行発展年次報告書2014」の予測では、中国人の海外旅行者数は前年比16%増の1億1400万人に達し、海外旅行中の消費額も18%増の1400億ドルを見込んでいます。

国全体の成長率は頭打ちとなっているとはいえ、人民元レートの高騰やビザの規制緩和等、中国人観光客にとっては追い風が吹いています。オンライン旅行サイトも充実しており、いまや強い人民元を持った中国人ツーリストは手軽に海外旅行を申し込み、世界中の観光地に散らばって高額消費を続けているのです。免税品の消費額シェアでは、世界の30%を中国人が占めているというデータもあり、いまや旅行業界にとって中国人の影響力は計り知れないものがあります。

中国人の消費が日本を救う!?
免税売上げの6割は中国人

ご存じの通り、現在の日中関係はかなり険悪な状態にあり、日本からわざわざ中国に出かけてくる旅行者は激減しています。何もいまわざわざ中国に、と思う日本人はあまりいないでしょう。

一方で、中国人の海外旅行で1番伸びている訪問先は日本です。震災や尖閣諸島をめぐる問題のために、ここ数年の数字が停滞していたという事実はあるものの、中国人の目的地別渡航者数の前年比を見てみると、日本は47.7%増でトップに立っています。次いで40.4%のベトナム、39.5%のインドネシア、33.2%の韓国と続きます。この数字を見ても分かるとおり、中国人の海外旅行者数の増加はアジアが牽引しており、中でも日本はダントツのトップなのです。

政治的な摩擦を差し置いて、中国人にとっていま最も行ってみたい外国のトップは日本だという調査結果もあります。方やその日本は、これだけ中国人の訪日旅行者が増えているにもかかわらず、その受け入れ体制が整っているとは言いがたい状況です。

しかし、いまや中国人の消費は日本にとって決して無視できるものではありません。銀座などで高級品をまとめ買いする中国人旅行者の姿をたびたび報道で目にするかと思いますが、実際、消費税増税前の駆け込み消費の反動で落ち込んだ今年4月の百貨店の売上げを救ったのは中国人です。百貨店全体の売上げが前年比2ケタ減を記録する中、免税品売上高は前年比5割増しの61億円と、過去最高を記録しました。

この消費を牽引しているのが中国人です。銀座の三越では、免税品の売上げが前年比2倍となり、売上高全体の1割を突破しました。その6割強は中国人によるものだということですから大きなインパクトです。訪日中国人増加の恩恵を、銀座の百貨店は確かに受けています。

とはいえ、このような「成功事例」はまだほんの一部だと言えます。なぜなら、前述したように日本側の中国人受け入れ体制は、決して整っているとは言えないからです。逆に言えば、いまの状態でこれだけの結果が残せているのであれば、いくらでも伸びしろはあるとも言えます。そしてこの消費に餓えた中国人たちは、何よりゴルフ業界にとって格好のターゲットとなり得ます。なぜなら、いま中国でゴルフをできる財力を備えている人たちは、こうして海外で高額消費を続ける旅行者と「完全に一致」するからです。

もはやゴルフは中国よりも日本が安い時代!?▶

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