Vol.4 中国人に人気の北海道や富士山でも、ゴルフの情報は知られていない

※当連載は、一季出版が発行するゴルフ業界誌『月刊ゴルフマネジメント』へ、当サイト管理人の野田道貴が寄稿したものを転載しています

中国のゴルフ場ににパブリックコースというものは存在しません。すべてのコースは原則としてメンバーシップ制を敷いています。にも関わらず、事実上は「オーナー独裁」とも言える形が取られていることで、メンバーの「権利」はあやふやなものに貶められ、そこにさまざまな弊害が生まれていると前回お話しました

実体経済にそぐわない会員権(もどき)の価格、オーナー側の一方的な通告による年会費の引き上げ、そして高騰し続けるビジターのプレー料金……。中国のゴルフ環境は、いちばん大切なはずの「プレイヤー」をないがしろにしたまま、一体どこに向かっているのでしょうか。

世界の潮流「ゴルフツーリズム」
中国人にも海外プレーが人気

2014年2月14日、ジャパンゴルフフェアの期間中に開催された「第1回日本ゴルフツーリズムフォーラム」の模様は、本誌でも採り上げられているかと思います。筆者もはるばる上海から参加しました。

ゴルファー人口の減少が避けられない日本のゴルフ界にとっては、そのキャパシティを日本人だけで埋めるのはもはや不可能に近いと言わざるを得ない状況です。そこに外国人をいかにして呼び込み、日本のゴルフをどう活性化させるか、というのがこのフォーラムの趣旨です。これまでほぼ国内需要だけをあてにしてきたことを改め、外客誘致という新しい視点で集客を試みよう、という流れですね。

世界的に見れば「ゴルフツーリズム」ということばは何も珍しいものではありません。例えばヨーロッパでは、ゴルファーたちは軽々と国境をまたぎながらゴルフを楽しんでいます。日本は島国という地理的要因もあり、国内のプレイヤーが国内のコースでプレーするマーケットという状況があまりにも一般的だっただけで、ここになってようやく、世界的な潮流でもある「海外ゴルファーの受け入れ」に向けて動き始めたところでしょう。

さて、筆者は日本と中国の間を、だいたい3ヶ月に2回程度の頻度で行き来しながら仕事をしています。東京から上海までの移動所要時間は3時間程度。さらに、福岡からならば上海まではたったの1時間半です。国境は越えても、気軽に行き来できる距離だということがおわかりでしょう。改めて強調するほどのことでもないのですが、日本と中国は非常に近い。政治的には目下の所深い隔たりはあるものの、物理的距離はたかだかこの程度なのです。

これほどまでに負担なく移動できるのだったら、中国から日本にゴルフに来てもらおうじゃないか。というのが、筆者がいま力を入れている取り組みであり、今回のフォーラムに参加した理由でもあります。中国のゴルフ環境が満足できる状況でないのならば、近場でもっとすぐれた場所をご紹介しますよ、ということです。

もちろん、世界に目を向ければ、日本よりも人気のあるゴルフデスティネーションはいくらでもあります。すでにタイなどの東南アジアにゴルフ旅行に出かけていく中国人ゴルファーは増えていますし、聖地スコットランドやアメリカなどまで足を運ぶゴルファーだっていまや珍しくもありません。中国の環境では満足が得られない分、かえって海外に出かけていこうとする動きは盛んなのかもしれません。

そこで、日本の出番です。前述したように、中国マーケットに対しては地の利を訴えない手はありません。東南アジアまで出かけていくならば、お隣日本にだっていいコースはたくさんあるよと教えてあげたいのです。

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